パパが習い事に関わるとどんないいことが?子どもの教育への影響は?
子どもの習い事は、単にスキルを習得するだけでなく、成長の過程で大きな役割を果たします。新しいことに挑戦し、成功や失敗を経験しながら、自信をつけていく機会でもあります。そして、習い事をより有意義なものにするためには、パパママのサポートが欠かせません。
このガイドでは、小学校で働き数多くの家庭の相談に乗ってきた筆者が、データと実体験をもとに、パパが習い事にどのように関わるべきかを具体的に紹介します。子どもの成長を見守り、親子の時間を充実させるために、パパができることはたくさんあります。このガイドを通じて、忙しいパパでも無理なくできる関わり方を見つけていただければと思います。
子どもの習い事の選び方(ガイド)は、こちらからご覧ください。
なぜ「パパの習い事への関わり」が重要なのか
両親がそろって習い事を応援すると、家庭での話題が広がるのが大きなメリットです。例えば、ママが「今日はこんなことを習ったんだって」と話し、パパが「じゃあ今度見せてよ!」と反応するだけでも、子どもは自分の成長を実感し、学びを深めやすくなります。パパとママがそれぞれ違う視点で関心を持つことで、子どもは「学ぶこと=家族の楽しい話題」だと感じるようになるのです。
このように、パパとママの両方が関わることで、やる気が倍増し、習い事を通じた家庭での学びやコミュニケーションも豊かになります。 忙しいパパでも、できる範囲で関心を持ち、応援する姿勢を見せることが大切です。
データから見る「習い事と親の関わり」の実態
多くの家庭の場合、習い事は母親主導で決められ、ママが付き添いや送迎をすることが多いです。株式会社ママスクエアでは、小学生の子どもを持つ働くママを対象に「子どものお稽古・習い事に関する調査」を行ったところ、実に働くママの85%が子どもの送迎をしているという調査結果が出ています。
79%のママは送迎が「大変」と回答しており、子どもの習い事・習い事の送迎を「大変」と感じながらも、多くの働くママが送迎をしていることがわかりました。
一方で、
家族社会学研究21 巻 (2009) 1 号では、
父親の親役割観が高く夫婦協力が大きいほど子どもの習い事に対する父親の意識が高く,父親の意識と母親の夫婦協力が多いほど子どもの習い事に関連した父親の行動が多かった。とりわけ,父親が子どもの習い事に関連した行動をとることが習い事に対する子どもの意識を高め,それが子どもの有能感や自己受容感を高めていた。
とされています。
このように、習い事を長く続けるためには、ママだけでなくパパの適切な関わりが重要です。例えば、「英語を始めたものの、家でまったく勉強をしないからやめてしまった」というケースは珍しくありません。こうした問題を防ぐためには、できる範囲でパパが一緒に練習する、進捗を確認して励ますといった関わり方が効果的です。
さらに、習い事は「習わせて終わり」ではなく、家庭でのフォローが成果を大きく左右します。特に、英会話やプログラミングといったスキル系の習い事は、定期的な復習や実践が欠かせません。パパが積極的に関与することで、子どもの学びが深まり、習い事の効果が最大化されるのです。
子どもが習い事を続けるかどうかは親の関与度に左右される
「習い事を続ける子」と「すぐにやめてしまう子」の違いは何でしょうか?
もちろん、子どもの性格や興味関心も影響しますが、親のサポートが大きな要因であることが多いです。特にパパが関与すると、次のようなメリットがあります。
モチベーションが続く
「パパが応援してくれている」と感じると、子どもはやる気を維持しやすい。
家庭での学びが定着する
例えば、英会話なら「パパと英語で挨拶する」など日常に取り入れやすい。
親子のコミュニケーションが増える
習い事の話をきっかけに、普段の会話が増える。
子どもが「やりたくない」と言い出すこともあるかもしれませんが、そのときに「どうしたの?」と聞いてあげるだけでも、気持ちの整理がついて前向きになれることもあります。パパが関心を持ち、関わることが習い事の継続につながるのです。
「パパの育児」と習い事の関係
育児初心者のパパでも関われる!習い事を通じた育児参加
共働き家庭が増え、パパの育児参加が求められる時代になっています。しかし、「何をすればいいのかわからない」「仕事が忙しくて関わる時間がない」と悩むパパも多いのではないでしょうか?
習い事は基本的に定期的な活動のため、パパのライフスタイルに組み込みやすいというメリットがあります。例えば、「週に1回の送り迎えを担当する」「週末に一緒に練習する」など、ちょっとした関わりを続けるだけでも、子どもとの信頼関係が深まります。ここでは、具体的な関わり方とその効果について紹介します。
送迎をすることで「子どもと話す時間」が増える
習い事の送迎は、育児初心者のパパでもすぐに実践できる習い事サポートのひとつです。移動時間は、子どもと向き合って話せる貴重な時間になります。特に小学生になると、家の中ではゲームや宿題などに夢中で、ゆっくり話す時間が少なくなりがちです。しかし、車や電車の中なら、自然と会話が生まれやすくなります。
例えば、こんな会話が増えるきっかけに!
- 「今日のレッスンはどうだった?」→習い事の話題から広がる
- 「最近、学校はどう?」→学校での出来事を知るきっかけになる
- 「次の発表会、パパも見に行こうかな」→子どもがパパの関心を感じる
「送り迎えをしていたら、子どもと学校のことも話すようになった」 「最初は、ただ送るだけのつもりでしたが、移動中に子どもが『このあいだ、学校でこんなことがあってね…』と話し始めたんです。習い事の話だけでなく、友達のことや先生の話も聞くようになりました。普段は妻にしか話さないことも、送り迎えの時間があることで自然と共有してくれるようになりました。」(40代パパ)
送り迎えをきっかけに、パパと子どもの距離が縮まることは少なくありません。最初は「何を話せばいいのかわからない」と思っても、習い事という共通の話題があるため、会話が生まれやすいのです。
練習を一緒にすることで「子どもの成長を実感できる」
パパが休みの日や仕事終わりに少しだけ子どもの習い事に関わるだけで、子どものやる気が変わることもあります。習い事は継続が大切ですが、「楽しい!」という気持ちがないと続きません。そこで、パパが一緒に楽しむ姿勢を見せることで、子どもがモチベーションを維持しやすくなります。
- 英会話:「休みの日にパパと英語で自己紹介ごっこ!」
- ピアノ:「発表会前に、パパに演奏を聞いてもらう」
- プログラミング:「一緒にScratchで簡単なゲームを作る」
「教える」というよりも、「一緒にやってみる」というスタンスがポイントです。パパ自身が楽しむことで、子どもも前向きに取り組むようになります。
「週末に一緒に練習したら、子どもが楽しそうに取り組むようになった」
「息子がサッカーを習い始めたのですが、最初はあまりやる気がない様子でした。そこで、休日に一緒に公園でボールを蹴るようにしたんです。すると、『パパ、こないだ教えてくれたシュート、練習したよ!』と話すようになり、レッスンの日も楽しみにするようになりました。」(30代パパ)
子どもは、パパが「一緒にやろう」と声をかけると、喜んで取り組むことが多いものです。週末の30分だけでも関わることで、子どもの成長を間近で感じることができるでしょう。
「ちょっとした関わり」が大きな変化を生む
習い事を通じたパパの育児参加は、難しいことではありません。
送り迎えをするだけで、会話が増え、親子の距離が縮まったり、練習を一緒にすることで、子どものやる気がアップしたりするのです。「教える」というより「一緒にやる」姿勢が、楽しく続けるコツといえるでしょう。
「仕事が忙しくて、なかなか育児に関われない…」と思っているパパこそ、習い事の時間を活用してみてはいかがでしょうか?小さな関わりが、子どもの成長と親子の絆を深める大きなきっかけになるかもしれません。
「パパでもできる習い事サポート」実践編

子どもの習い事は、ママだけでなくパパが少し関わるだけで、子どものモチベーションが大きく変わることもあります。
どのように関わったらよいかわからないというパパでも、習い事に興味を持つだけで、子どもにとっては大きなサポートになります。実際にどんなサポートができるのか、具体的な方法を紹介していきます。
まず「一緒にやる」時間を作ることから
習い事に関わるといっても、毎日サポートしなくても大丈夫です。むしろ、パパが無理なく続けられる形で関わることが大切です。
例えば、送り迎えや宿題のフォローなど「一緒にやる時間」を作ることで、習い事の効果を高めることができます。
- ママの負担を軽くできる:「送迎はママとパパが交代で行う」
- 子どもにとって新鮮な学びになる:「いつもと違う視点で楽しめる」
- パパと子どもの絆が深まる:「一緒に取り組むことで会話も増える」
「忙しいから無理」と思わず、週に1回30分でもいいので関わる時間を作ることがポイントです。
①パパとママどちらかに負担が偏らないように
習い事を続けるには、送迎や家庭での復習サポートが欠かせません。これらの負担をどちらか一方に偏らせず、夫婦で相談して分担することが大切です。
例えば、「送迎はパパとママが交代で」「発表会や試合の参加はできるだけ都合をつける」といったように、家庭のスケジュールに合わせた分担を決めると、無理なく関わることができます。 また、「英会話の宿題チェックはパパ、プログラミングの実践サポートはママ」のように、お互いの得意分野を活かしてフォローするのも効果的です。
夫婦で話し合ってスケジュールや役割を決めておくことで、どちらか一方に負担が集中することなく、子どもも「パパもママも応援してくれている」と実感しやすくなります。 家庭全体で習い事をサポートする環境をつくることが、子どものモチベーションや学びの定着にもつながるでしょう。
具体的な関わり方
- ピアノの場合:「パパも簡単な曲を弾いてみる」
- 英会話の場合:「子どもの習ったフレーズを一緒に言ってみる」
- プログラミングの場合:「子どもが作ったゲームを一緒にプレイしてみる」
一緒に取り組むことで、「パパもやってるから楽しい!」と子どもが感じ、モチベーションがアップします。
②発表会や試合に積極的に参加する
子どもにとって、発表会や試合は「がんばった成果を見てもらう場」です。パパが見に来てくれるだけで、子どもは自信を持てるようになります。
- 英会話の発表会:「パパが見に来てくれるなら練習をがんばろう!」
- サッカーの試合:「試合の後にパパと振り返るのが楽しい!」
- ピアノの発表会:「パパがビデオを撮ってくれた!また見返したい!」
「仕事で行けない…」という場合でも、後で動画を一緒に見て感想を伝えるだけでもOK。パパが応援してくれると、子どもは「パパに認めてもらえた!」と感じて、次の挑戦への意欲が高まるのです。
③習い事の話を聞いて「すごいね!」と褒めるだけでも効果あり
実は、「習い事の話を聞くだけでもサポートになる」のをご存じですか?
子どもは、自分ががんばっていることを親に知ってほしいもの。たとえ深く関われなくても、「今日はどんなことを習ったの?」と聞くだけで、子どものやる気を引き出せます。
例えば、こんな風に声をかけると効果的です。
- 「今日の英会話で新しい単語を覚えたの?」
- 「ピアノの新しい曲、どんなのか聞かせて?」
- 「プログラミングのゲーム、ちょっと見せて!」
そして、最後に「すごいね!」と一言ほめるだけでOK!たったこれだけでも、子どもは「パパが興味を持ってくれてる!」と感じ、習い事への意欲が高まります。
実例:パパがサポートして成長した子どものエピソード
ケース①:休日にパパとピアノ練習→「練習嫌いだった子が楽しくなった」
ピアノを習い始めたばかりの小学1年生の男の子
「毎日練習しなきゃいけないのが嫌だ…」とやる気をなくしていたが、パパが休みの日に「一緒に弾いてみよう!」と提案。パパも初心者だったが、一緒にドレミの練習をするうちに、「パパも頑張ってるから、自分もやってみよう!」と前向きに。発表会前は、2人で一生懸命練習したことで、自信を持ってステージに立てました。(30代ママ)
➡「練習が楽しくなった!」と自らピアノに向かうように。発表会でも自信を持って弾けた!
ケース②:プログラミングのゲーム制作→「パパと一緒に考えるのが楽しい!」
小学生の男の子(Scratchでゲーム作りに挑戦)
最初は「プログラムが難しい…」と悩んでいたが、夫が「どんなゲームを作りたいの?」と興味を持って聞いてみた。
「キャラクターがジャンプして敵をかわすゲーム!」と話したので、「どこでジャンプさせる?」「どんな動きをさせたい?」と一緒に考えたところ、「パパと考えるのが楽しい!」とモチベーションアップ。私はパソコンが苦手なので、とても感謝しています。(40代ママ)
➡「ゲーム作りが面白くなって、もっと工夫したい!」と意欲的に取り組むように!
パパのちょっとした関わりが、子どもの成長につながる!
習い事のサポートは、毎日しなくても大丈夫。週末に練習を見たり、発表会に行ったり、話を聞くだけでも子どもは喜びます。「パパのサポートがあったから、楽しく続けられた!」と子どもに思ってもらえるように、無理のない範囲で関わってみてください。
パパが習い事を選ぶときのチェックリスト
習い事を選ぶ際に、以下のポイントをチェックすると失敗しにくくなります。
①続けやすいか?(送迎の負担・費用)
送迎が負担にならないか?
→近所の教室か、送迎が難しいならオンラインレッスンも検討
費用は無理なく払えるか?
→月謝だけでなく、発表会費用や道具代も考慮する
他の習い事や学校生活と両立できるか?
→週1~2回なら無理なく続けやすい
②家庭でのサポートが可能か?(練習できる環境があるか)
家でも練習できる環境があるか?
→スポーツなら体を動かせる環境、楽器なら音を出せる環境が必要
パパが一緒に関われるか?
→休日や仕事終わりに一緒に練習できるものがおすすめ
家庭でのフォローが必要か?
→英会話なら一緒に動画を見たり、プログラミングなら親も学んでみるのも◎
③子どもが楽しんでいるか?
子どもがワクワクしているか?
→無理やりやらせるより、「楽しい!」と思えることが大事
興味が続くかどうか?
→体験レッスンや見学を通して、子どもが興味を持つかチェック
やめたいと言ったときの対応は?
→「なぜやめたいのか?」を聞き、無理強いしないことが大切
パパが関わる習い事で、子どもと一緒に成長しよう!

子どもの習い事は、単なるスキル習得だけでなく、親子の時間を増やし、家族のコミュニケーションを深める大きなチャンスでもあります。特にパパが積極的に関わることで、子どものやる気や成長に良い影響を与えることができます。ここでは、これまでの記事のポイントを振り返りながら、パパができる関わり方についてまとめます。
①パパが習い事に関わると、子どもとの時間が増える
習い事の送り迎えをするだけでも、親子の会話が増えます。
「今日のレッスンどうだった?」と聞くことで、学校のことや友達の話にも発展し、自然と子どもの気持ちを知ることができます。
また、スキマ時間に一緒に練習するのもおすすめです。
「パパ、ちょっと見て!」と子どもが見せたがるようになれば、習い事へのモチベーションもアップ。親子で挑戦することで、習い事が「親がやらせるもの」から「楽しい時間を共有できるもの」に変わります。
さらに、発表会や試合に参加することで、子どもにとって「パパが応援してくれている」という安心感が生まれます。日常生活ではなかなか見られない子どもの真剣な姿を目の当たりにすると、パパ自身も「習い事って大事なんだな」と実感できるはずです。
②ママとの相談ポイントを押さえて、家庭に合った習い事を選ぼう
習い事を決める際、ママと意見が食い違うこともあります。
例えば、ママは「実用性重視」、パパは「好きなことをやらせたい」というケースがよくあります。こうした違いを埋めるためには、以下のポイントを押さえて話し合いましょう。
- 習い事の目的を明確にする(学力向上?運動不足解消?将来のスキル?)
- 費用・送迎・家庭でのフォローの分担を決める
- 体験レッスンや見学に一緒に行き、実際に見て決める
どちらか一方の意見だけで決めるのではなく、お互いに納得できる形を見つけることが大切です。
③「無理なくできるサポート」を取り入れて、習い事をもっと楽しく!
パパが「毎回送り迎えする」「全ての練習を見てあげる」ことが難しくても、できる範囲で関わることが重要です。
例えば、
休日だけでも一緒に練習する→一緒にゲーム感覚でやると楽しい!
発表会・試合にはできるだけ参加する→応援が子どもの自信につながる
習い事の話を聞いて「すごいね!」と褒める→モチベーションUP
小さな関わりでも、子どもにとっては大きな励みになります。
パパの関わり方次第で、習い事がもっと楽しくなる!
- 習い事に関わることで、親子の時間が増える
- ママと相談しながら、家庭に合った習い事を選ぼう
- 無理なくできる範囲でサポートし、子どものやる気を引き出す
習い事は、子どもが成長する大切な場ですが、同時に親子の絆を深めるチャンスでもあります。
「どう関わるか?」はパパ次第。まずはできることから取り入れて、習い事をもっと楽しく、家族の成長につなげていきましょう!
子どもの習い事の選び方(ガイド)は、こちらからご覧ください。
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