子どもの習い事は何歳からがベスト?失敗しない選び方のポイント3選
「〇〇くん、また逆立ちしてる!すごいバランス感覚だね!」
体操教室に通う児童が、休み時間に得意げに逆立ちを披露し、「次はバク転ができるようになりたい!」と目を輝かせています。
子どもは「できた!」という成功体験を積むと、「もっとやりたい!」と意欲を燃やします。 しかし、もし始める時期が早すぎたり遅すぎたりしたら、同じように楽しめたでしょうか?
筆者も育児をしながら小学校で働いており、多くの家庭と関わるなかで、「いつ・何を始めるべきか」という相談を数多く受けてきました。本記事では、実際に習い事をさせているパパママの意見を交えながら、習い事を始める適切なタイミングと、失敗しない選び方を紹介します。
まずは習い事の目的を考えよう
習い事を始める前に、「何のために習い事をさせるのか」を明確にしましょう。「自分も幼い頃習っていたから」「とりあえずやらせておけばいいだろう」という漠然とした考えで始めるのはおすすめしません。習い事には費用がかかるうえ、送り迎えなど親の負担も少なくありません。そのため、目的をしっかり考えたうえで選ぶことが大切です。例えば、
- 運動能力を伸ばしたい:スイミング・体操など
- 集中力や思考力を養いたい:ピアノ・そろばん・プログラミングなど
- 社交性を高めたい: 英会話・チームスポーツなど
といったように、子どもの興味や成長に合った目的を持つことで、親も子どもも納得して続けやすくなります。
【実体験】親の気持ちで習い事をはじめて…
「『今の時代は英語が必須!』と思い、何となく英会話教室に通わせることにしました。ところが、いざ通わせてみると、息子はレッスン中にじっと座っていられず、家で『今日はどんなことを習ったの?』と聞いても、『分かんない』『遊んだ』ばかり…。『英語をやらせたい!』という親の気持ちだけで、息子に合うかどうか考えていなかったことを反省し、半年でやめる結果になりました。」(40代パパ)
習い事を始めるベストな年齢は?

習い事を始めるベストな年齢は「3~5歳」
習い事を始めるベストな年齢は「3~5歳」といわれています。子どもの性格や成長に合ったタイミングで始めると、無理なく楽しく続けられるケースが多いです。
ベネッセの調査によると、実際に、習い事を始めた年齢は4歳が最多で、全体の約60%が3~5歳で習い事をはじめています。その理由としては、以下のようなものがあります。
① 集団行動に慣れ、先生の指示を理解できるようになる
3~5歳になると、幼稚園や保育園での集団生活に慣れ始め、先生の話を聞いて行動する力が身についてきます。習い事のレッスンでも「順番を待つ」「先生の指示を守る」といった基本的なルールを理解しやすくなり、スムーズに取り組めます。
② 好奇心が旺盛になり、物事に挑戦する意欲が高まる
「やってみたい!」「どうやるの?」と興味を持つ時期なので、新しいことへの吸収力が高く、習い事を始めるには絶好のタイミングです。例えば、スイミングや体操を始めると、遊び感覚で取り組めるため、無理なく体を動かす楽しさを学べます。
③ 生活リズムが安定し、習慣として定着しやすい
3~5歳になると、昼寝の時間が短くなり、夜の就寝時間も一定になってくるため、決まった時間に習い事に通うことが負担になりにくいです。特に、ピアノや書道のようにコツコツ続ける習い事は、この時期から始めると自然に習慣化しやすくなります。
【実体験】4歳からスイミングを始めて…
「1歳の頃にベビースイミングの体験に行ったのですが、水が怖いようで泣いてばかりでした。4歳になったタイミングで再挑戦すると、少しずつ水に慣れて楽しそうに参加できるように!半年後には顔をつけて泳げるようになり、親としても『このタイミングで始めて良かった』と感じました。」(30代ママ)
もちろん、0~2歳のうちから親子で楽しめる習い事を始めるのも良いですが、「本格的な習い事」は3~5歳が適齢期と考えてよいでしょう。
習い事を早く始めすぎるデメリットは?
「できるだけ早く始めた方がいいのでは?」と考えるパパママも多いですが、早すぎると以下のようなデメリットがあります。
① 先生の指示を理解できず、負担になってしまう
3歳以下の子どもは、まだ先生の話を聞いて自分から行動することが難しいです。そのため、習い事に参加しても「何をすればいいか分からない」という状態になり、パニックになったり、ストレスを感じたりしがちです。
② 「やらされている」感が強くなり、モチベーションが続かない
子ども自身が「やってみたい!」という気持ちがないまま始めると、無理に通わせることになり、親子ともに負担が増えてしまいます。途中で辞めてしまうことも少なくありません。
③ 費用や親の負担が大きくなる
習い事には月謝だけでなく、送迎の手間や道具代などの費用もかかります。特に幼児期は体調を崩しやすいため、習い事を休むことも多く、「せっかく払ったのに…」と親の負担が増える可能性があります。
【実体験】2歳で習い事を始めたけれど…
「音楽に親しんでほしくて2歳の娘にピアノを習わせましたが、集中力が続かず、レッスン中にふざけてばかり…。結局、3ヶ月でやめてしまいました。4歳になってから再度ピアノを始めると、自分から『やりたい!』と言って楽しんでいるので、親の都合でなく子どものタイミングを見極めることが大切だと痛感しました。」(40代パパ)
習い事の選び方のポイント3選

子どもの性格や興味に合ったものを選ぶ
習い事を選ぶときは、子どもの性格や興味を大切にすることがポイントです。好きなことや得意なことなら、自然と楽しんで続けやすくなります。例えば、以下のようなものがあげられます。
性格タイプ | おすすめ習い事 | 理由 |
---|---|---|
人見知りな子 | ピアノ、書道、そろばん | 一人で集中しやすく、先生と1対1の環境が多い |
活発な子 | サッカー、体操、ダンス | 体を動かすことでストレス発散になり、楽しく続けられる |
好奇心旺盛な子 | 英会話、プログラミング | 新しいことを学ぶのが好きな子に向いている |
親の意向だけや流行りに合わせるのではなく、子ども自身が「やってみたい!」と思えるものを選ぶことが、楽しく長続きする秘訣です。
負担にならないスケジュールを考える
習い事の掛け持ちをする家庭も多いですが、子どもが疲れすぎないように、以下の目安を参考にしましょう。子どもの様子を見ながら、適度なスケジュールを組むことが大切です。
年齢 | 習い事の頻度 |
---|---|
3~5歳 | 週1~2回が理想(多くても週3回まで) |
6~8歳 | 週2~3回(学校生活に慣れる時期のため、余裕を持たせる) |
9歳以上 | 週3~4回(本人がやりたいなら増やすのもOK) |
【実体験】習い事をさせすぎて…
「5歳の娘に、本人の希望でピアノと英会話とバレエを通わせたら、休みがなく疲れすぎてどれも嫌になってしまいました。結局、ピアノと英会話をやめてバレエだけ続けることに…。最初から週1~2回にすればよかったと後悔しました。」(40代パパ)
体験レッスンを活用する
習い事を始める前に、体験レッスンを受けることはとても大切です。実際に参加することで、子どもが楽しめるか、続けられそうかを確認できます。
- 子どもの反応を確認できる
「楽しそうに取り組んでいるか」「興味を持っているか」など、実際の様子を見ることができます。 - 先生や教室の雰囲気を知る
指導方法やクラスの雰囲気、ほかの生徒さんが子どもに合っているかを判断するポイントになります。 - 親もサポートしやすくなる
レッスン内容を理解しておくと、家庭での声かけや練習のサポートがしやすくなります。
体験レッスン後は、子どもに「どうだった?」と感想を聞いてみましょう。「楽しかった!」と前向きな反応があれば、続ける意欲も高まりやすくなります。
お子さんの「やってみたい!」を大切に
✔ 習い事を始めるベストな年齢は「3~5歳」
✔ 子どもの性格や興味に合ったものを選ぶ
✔ 週1~2回の頻度からスタートするのが理想
習い事を始めると、子どもの興味や才能をぐんぐん伸ばすことができます。『やってみたい!』という気持ちを大切にしながら、楽しみながら続けられる習い事を見つけてあげましょう。数年後、お子さんが得意げに成果を披露する姿を見たとき、きっと『始めてよかった!』と思うはずです。体験レッスンなどを活用し、親子で楽しくスタートしましょう!