パパと楽しく進めるトイレトレーニング│時期・進め方のコツを保育士ママが徹底解説

お子さんが1歳、2歳とすくすく大きくなり、少しずつ意識し始めるワード。
「トイレトレーニング」(通称トイトレ)

トイレトレーニングってまずは何から始めればいいんだ?
そもそもいつ始めるのかな…
スムーズにトイトレが進まない時はどうすればいいんだろう。
「トイトレ」と聞くと進め方や始める時期など分からないことが多く、漠然と難しそうなイメージを抱いていないでしょうか?
でも大丈夫!この記事では現役保育士ママである筆者が、トイトレに関して詳しく解説していきます。
トイトレの極意は、「焦らず・生活の一部として・楽しんで」です。お子さんの成長ペースに合わせて進めていくことが大切ですよ!
就寝前にトイレに行くことでルーティンにも繋がります。
寝かしつけ全般の進め方についてはこちらでまとめていますので、あわせてご覧ください。

トイレトレーニングとは

トイレトレーニングとは、お子さんが自らトイレで排泄できるようになるために少しずつ練習すること。さらにトイトレは、ただオムツを外すための練習ではなく、“自立の第一歩”とも言えます。
ひと昔前までは、「入園(3歳)までにオムツを取るのは当たり前」と言われていたり、「オムツはずし」という言葉を使っていました。
現代では、大人が主体の「オムツはずし」ではなく、子どもが主体の「オムツはずれ」という言い方にもなっています。
この言葉の変化の通り、最近では子ども主体・成長ペース・興味に合わせて無理なく進めていくことが主流です。
「2歳になったからトイレ行かせなきゃ!」などと年齢を目安にするのではなく、お子さん主体でトイトレを始めてみましょう。
「トイレでおしっこできた!」という達成感を味わうことは、お子さんにとって自己肯定感も高まり、自分自身の成長も感じることができます。
トイレトレーニングはいつから始める?時期は?

十分に歩けるようになったら
一人歩きが上手になり、自分の興味のあるところへ歩いたり探索を楽しんだりしていますか?
歩くのが上手ということは、運動面、理解力も発達しているという一つの目安になります。
排泄の間隔が2時間ほど空いてきたら
赤ちゃんのころはすぐにオムツのラインの色が変わりますね。それは膀胱がまだ小さく、おしっこをたくさん溜められないためです。
成長とともに、膀胱におしっこが溜められるようになり、排尿の間隔が空いてきます。
オムツのラインの色をこまめにチェックしながら、2時間前後間隔が空くようになれば、トイトレを始める時期としてベストでしょう。
簡単な言葉でやり取りができるようになったら
トイトレにおいて、自分の意思表示ができることがとても大切です。
大人とのコミュニケーションの中で「うん」「ヤダ」など自分の意思表示が出来ていたり、「ちょうだい」「抱っこ」などの要求を自ら簡単な言葉で良いので伝えられますか?
トイトレがスタートしたら、「おしっこでた」「おしっこ出たい」など自分の身体の感覚を言葉で表現できるようになるとトイトレがグッと前に進むことが出来ます。
季節は春から夏にかけてがおすすめ
季節としては温かくなる春から夏にかけてがおすすめです。
- 漏らしてしまっても寒くない
- 薄着だから着脱が楽にできる
- 家でパンツだけでも過ごせる
- 洗濯物もすぐに乾き負担が少ない
などのメリットが大きいからです。
もちろんお子さんの成長ペースが主体なので、秋や冬にトイトレを始めても問題はありませんよ!
パパ・ママにも余裕があるときに
トイレトレーニングは短期で完了できるものではありません。
数週間・数カ月トイレトレーニングにしっかりと向き合える時間・気持ちの余裕があるときにスタートしましょう。
お子さんが漏らしてしまい、掃除や洗濯などが必須になってきますので、おうちの方のゆとりも大きく影響します。失敗したときに怒られてしまうと、トイレトレーニングは進まなくなってしまいますからです。
時間的にも精神的にも余裕をもって始めたいですね!
準備するグッズは?
必須アイテムは3つ
トレーニングパンツ
トレーニングパンツ(通称トレパン・お姉さんお兄さんパンツ)とは、普通の布パンツよりも分厚くなっており、万が一失敗しても漏れにくくなっているパンツのことです。
3層式、6層式など分厚さも様々で、お出かけ用やおうち用などで区分する方が多いですね。
布パンツ以外にも、紙製のトレパンもあります。
普通のオムツよりもおしっこを吸収しにくくなっており、お子さんがオムツ内におしっこが出たことを感じやすい作りになっています。

おまる・補助便座
おまるとは「お子さんの小さいトイレ」です。
足がしっかり床に付くので、1歳2歳で始めるお子さんはおまるから慣れるのが良いでしょう。おまるで座る練習をしたり、実際に排尿したりします。おまるに排尿できたら、掃除しましょう。
おまるに慣れてきたら、補助便座を使って実際にトイレでの排泄を促します。

補助便座とは、トイレの便座にセットしてお子さんが座りやすくするためのアイテムです。
2,3歳からトイトレを始めるお子さんや、トイレに座ることに抵抗がないお子さんは、補助便座からスタートしましょう。

お子さんの様子に合わせておまるから始めるか、補助便座から始めるか決めてみてください。
ステップ
小さな身体ではトイレに上ることは難しいため、ステップを用意しましょう。
階段式になっているものや手すりがついているものなど様々。
トイレは狭く、お子さんにとってもまだ安心できる場所ではないため、より安全なものを選べると良いですね。

あったら便利なトイレトレーニングのグッズ
防水・吸水シーツ
実際にパンツを履いて過ごすようになったら、ソファの上でお漏らし…夜ベッドで寝ていてお漏らし…などというお悩みは付き物です。
少しでもパパママの負担を減らすために、シーツは大活躍です!
ソファに掛けて置いたり、ベッドシーツにしたりして、いざという時に備えておくと安心ですね。

おねしょケット・おねしょズボン
最近登場してきた優れものアイテムです。
防水仕様のズボンで、就寝中おねしょをしてしまっても寝具が濡れるのを防いでくれます。ズボン型になっているため、寝返りを打ってもズレずに安心ですね。

トイレトレーニングの進め方
トイレは排泄をする場所であることを知ってもらう

日常の中で、生活の一部として閉鎖的なトイレをお子さんが目にすることは少ないですよね。まずはトイレがどんな場所か、何をする場所かを伝えていきましょう。
トイレに関する絵本を読む
トイレを題材にした絵本は数多くあります。年齢に合わせて、簡単なものからストーリー調なものまで様々。お子さんに読んであげてくたさい。
子どもは「おしっこ」「うんち」などのワードに反応し、興味津々で見てくれることが多いですよ!
“トイレはおしっことうんちをする場所なんだ” “お兄さんお姉さんになるとオムツじゃなくて素敵なパンツを履けるんだ”などトイレに関して前向きな内容が含まれていると意欲も高まりますね。
動画を一緒に見る
絵本と同じく、動画配信サイトにもトイレに関する動画は数多くあります。
効果音などがおもしろく楽しそうに見てくれるでしょう。
パパがトイレに座るところを見てもらう
実際にトイレに座って排泄する姿を見ることで、より理解が深まります。
大好きなパパもトイレに座っているから“怖くない場所” “すっきりする場所なんだ”と印象が付けられると良いですね。
おまる・補助便座に座らせてみよう

トイレは排泄する場所であることを理解できた様子なら、実際にトイレに行ってみましょう。
まずはトイレに行ってみるだけでOK
トイレの中に入り、「ここに座るんだよ」「ここのお水は汚いから手は入れないでね」「これはトイレットペーパーだよ」などトイレ内を紹介します。
トイレに恐怖心を持たずに入れただけで、トイトレ第一歩を着実に進んでますよ!
おまるの場合も同様に紹介してあげましょう。
おまる・補助便座に座れたら100点!
お子さんが嫌がらないようであれば、おまるや補助便座に実際に座ってみましょう。お子さんの様子次第でまずはズボンのまま、またがっても大丈夫です。
おまるを使用する場合は、おまるはトイレと同じであることを印象付けるために、リビングなどの生活空間とは分けてトイレの近くに設定するのがベストです。しかし、お子さんが怖がったり、なかなかおまるに座れない場合はリビングなどの慣れた場所からのスタートで大丈夫ですよ!
おまるや補助便座に座るのを拒む様子であれば、無理せずに!またおまるやトイレに慣れるところから始めましょう。
タイミングを見てトイレ・おまるに誘ってみる

生活習慣の一部に組み入れて
- 朝起きてすぐ
- 食前
- 寝る前
- おでかけ前
生活リズムに取り入れるとスムーズに慣れていきます。いきなり上記全てのタイミングにトイレへ誘うのではなく、1つ決めて定着してきたら2つ、3つ…とトイレのタイミングを少しずつ増やしていきます。
おしっこしたそうな仕草や時間で
お子さんによって、排尿したいときにもじもじしたり、ちんちんやおまたを触ったりする仕草が見られます。その時にトイレに連れていってあげると、タイミングが合えばトイレで排尿できます。トイレやおまるで排尿でする感覚を味わえ、成功体験を積んでいくことが大切です。
排便の際には、カーテンの隅に隠れたり、しゃがみこんだりするお子さんが多いです。排便をトイレでするのは難しいので、長い目で見ていきましょう!
パンツを履かせてみよう

- 自分でトイレ・おまるに座れる
- トイレ・おまるで排尿が増えた
- 排尿したら教えてくれる
上記のポイントがクリアできたら、いよいよパンツデビューです!
いつも同じ柄のオムツを履いているお子さんも、自分の好きなキャラクターのパンツや色の素敵なパンツを目にしたらきっと目がキラキラ輝くことでしょう。
昼間はパンツを履かせてみましょう。
パンツを履くと、オムツとは違い“おしっこをした感覚”がよく分かります。パンツにおしっこが出たら濡れて気持ち悪い・不快だと感じることで、トイレに自ら向かう意識に繋がります。
「可愛いパンツが濡れて泣いちゃってるね」「次はニコニコパンツでいられるようにトイレでおしっこしようね」と前向きな言葉掛けでお子さんも安心してトイレに行けるようになります。
トイトレは失敗と成功の繰り返しなので焦らず、「失敗するもの」という認識でパパもゆっくり向き合ってあげてくださいね!
パンツでお出かけしてみよう

お家でパンツで過ごすことができるようになってきたら、パンツで外出してみましょう。
排尿の間隔や仕草に注意しながら、外出先でもトイレに連れていってあげましょう。はじめのうちは、公園や児童館など失敗しても大丈夫な場所や、お子さん用トイレがある場所を選ぶと安心です。
パンツでお出かけできるようになると、お子さんの自信にも繋がります。
夜もパンツで寝かせてみる

夜におしっこを溜めておくことは、膀胱の大きさや抗利尿ホルモンの分泌などといった身体の発達が必要です。
「昼間はパンツで完璧なのに、夜はオムツが必須…」というお悩みも多いですが、お子さん一人ひとりの身体の成長によってなので焦らなくて大丈夫ですよ!
オムツを履いて寝て、朝起きたときにおしっこが出ていない日が続いたら、夜パンツを履いてみましょう。夜オムツを履いて寝る際には、お子さんに今日はパンツを履いていることをしっかり伝えてから寝ると、印象付けられます。朝おしっこが出ていない成功体験でさらに自信へと繋がることでしょう。
排便の自立は3~4歳頃が目安
排尿が自立しても、排便はオムツに履き替えてするお子さんも多いです。
排便はトイレに座って踏ん張りにくかったり、なんとなく怖くてオムツでうんちしたいという理由です。
トイレでうんちができるようになるのは、一般的に3~4歳頃なので焦らずお子さんの意思を尊重しながら進めていきましょう。
男の子と女の子で違う!?それぞれ押さえるポイント

トイトレのグッズや進め方、時期は男の子と女の子でもほとんど一緒です。
しかし、男の子・女の子のトイトレを進めやすい傾向や配慮するべき点もありますのでぜひ知っておきたいですね。
保育士として、多くのお子さんのトイトレに携わった中で感じたことをご紹介していきます。
男の子はゆっくり焦らず。ゲーム感覚で
男の子のトイトレはゆっくり目な傾向
個人差が大きく一概には言えませんが、女の子よりも男の子のほうがトイレ・パンツへの興味や、発達ペースがややゆっくりな傾向があります。
そのため、周囲の子と比較したりせずに、ゆったりとした気持ちで成長を受け止めながら、その子にとって適切な時期でトイレトレーニングを始められると良いですね。
パパだからこそできるトイトレ!はじめは座らせよう
男の子にとってパパは憧れな存在。性別も同じだからこそできるパパからのアドバイスや、共感できる気持ちもありますよね。
男の子のパパへの憧れ心をくすぐりながら、一緒に楽しく進めていけると良いですね。
男の子は、最初は座って排尿できるようになりましょう。立ちながらの排尿は、座って排尿することに慣れてきてから教えるとスムーズです。いきなり立ちながらの排尿は、まだトイレという場所に安心感を持っていないお子さんにとって、難易度高めです。
遊び心をくすぐろう
楽しい事が大好きな男の子。
トイトレを、ゲーム感覚で楽しめるよう工夫すると、スムーズにいきますよ!
トイレに大好きなキャラクターを取り入れたり、パパとどちらが先にトイレにタッチできるか競争したり。
男の子は楽しいゲームや勝ち負けに興味を持ちやすいです。
男の子っておしっこはトイレットペーパーで拭くの?
ご家庭の方針や、時代によって違いはありますが、現在の医学的には男の子は拭かなくてOK。まだ小さい男の子が自分でトイレットペーパーで拭くと、ちんちんにペーパーが張り付いてしまい、炎症を起こすケースもあるためです。
排尿後、ちょんちょんと触ってちんちんについているおしっこをトイレ内に落とす程度で十分です。
女の子は自分でやりたい気持ちを大切に
“自分で”の気持ちをくすぐって
女の子は比較的早くから自分でできそうなことはやってみたいという気持ちが強い傾向にあります。
「女の子はおませさん」なんてこともよく聞きますよね。
女の子のトイトレは、自分でパンツを選んだり、自分でトイレに向かったりなど、よりお子さん主体を意識して取り組むと良いでしょう。
トイレは可愛い雰囲気で気分も盛り上げて
女の子は可愛いものが大好き。
素敵なトイレ空間を作り、トイレに行く気分を盛り上げるとスムーズにトイトレが進みます。お子さんにどんなトイレなら行きたくなるか、聞いてみるのも良いですね。
女の子パパが気を付けたい配慮
女の子は、うんちを前から肛門に掛けてペーパーで拭いてしまうと「尿路感染症」を起こしてしまうことも。
必ず、ペーパーで拭く際には前から後ろの向きに。
うんちが出たらお尻側に手をまわしてから、肛門部分を拭くのが大切です。
ただ、デリケートな部分ではあるので、女の子パパは褒めることや言葉かけに徹するので十分。同じ女性であるママに、拭き方は伝えてもらうようにしましょう。
保育士ママおすすめ!楽しく進めるコツ
明るく可愛いトイレに
お子さんの好きなキャラクターや車などのイラストやシールを壁に貼ってみましょう。トイレに目や口をつけて親しみやすくするのも楽しいですね。
ごほうびシールを導入
カレンダーや紙とシールを用意します。トイレに座れたり、排尿が成功したらご褒美にシールを選んでお子さんに貼ってもらいます。お子さんはシール貼りが大好きです!
パンツへの憧れ心をくすぐって
お子さんと一緒にパンツを買いに行ってみましょう。自分で選んだ可愛い・かっこいいパンツは履いてみたくなりますよね!
子ども心をくすぐりながら、お兄さんパンツ・お姉さんパンツと呼ぶことで憧れ意識も高まり、より意欲的になります。
ぬいぐるみと一緒に
ぬいぐるみと一緒にトイレに行ってみたり、画用紙にトイレを描いて遊びの中でぬいぐるみを座らせてみたりしてみるのも楽しいです。トイレは、楽しい。怖くない。という印象が付けられます。
イヤイヤ期にはとにかく自分で決めさせて
トイトレ時期にちょうど直面するイヤイヤ期…
イヤイヤしたときおすすめなのが、とにかく何でもお子さんに選んで決めてもらう作戦です。
「トイレに自分で座る?パパが手伝う?」
「パンツどれ履く?」
「右足からパンツ履く?左足から?」
と何でも聞いてみましょう。自分で選べることで、泣いていても気持ちを切り替えるきっかけになります。
これだけはやめて!トイレトレーニングでNGな関わり方

- 失敗を叱る
- 周囲と比較して傷つける
- 長くトイレに座らせる
トイトレはスムーズに進むお子さんもいれば、半年以上かかるお子さんもいます。長い目で見て、お子さんの意欲を高めながら進めていけるよう心がけましょう!
保育園・幼稚園と密な連携を
お子さんが保育園や幼稚園に通っているようであれば、担当の先生とこまめに状況を共有することがとても大切です。
筆者は現役保育士ですが、保護者の方と以下の内容を共有しています。
- ご家庭でトイトレを始めたかどうか
- 園でもトイレに誘っても良いか
- お子さんの排尿の間隔
- パンツへの移行時期
- 園で何回トイレで排尿できたか
ご家庭と園でのスムーズな情報共有で、お子さんも安心してトイレに向かうことができます!
失敗と成功を繰り返しながらスモールステップで
以上がトイレトレーニングのためのポイントとなります。
- お子さんの成長に合わせてトイトレを始める
- 焦らずにスモールステップで
- 男の子と女の子の配慮すべき点も踏まえて
- 失敗したり嫌がったら一度ストップすることも良い
- 叱らずに楽しい雰囲気を心掛けて
昼間お仕事でなかなかトイトレにあまり関われないパパも、起床後や寝る前のトイレは一緒に行ったり、漏らしてしまった洗濯物を洗ったりするなどして積極的に取り組めると良いですね。
ぜひママとトイトレ時期や方法、アイデアを共有しながら楽しくトイトレを進めてみてください!